お客様は神様じゃない

<TOPIC3 お客様は神様じゃない>

真摯な言葉に耳を貸さない人、失礼な人は、お断りです。お金を払ってくださるからといって、どんなオーダーもお受けする、というわけにはいきません。

それはどんなビジネスにも通じることでしょう。占いを頼む側と頼まれる側との信頼関係が、何よりも大切なことなのですから、たとえお客様でも守っていただきたいルールは、占いの世界にも当然あるのです。ここでは、こちらからお断りのお客様とはこんな方、というエピソードをいくつかお届けします。

・こんな人は占いません(1)ハシゴお断り
・こんな人は占いません(2)疑心お断り
・こんな人は占いません(3)半信半疑もお断り
・こんな人は占いません(4)挑発お断り
・こんな人は占いません(5)値切りお断り
・こんな人は占いません(6)時短お断り
・こんな人は占いません(7)探りお断り
・こんな人は占いません(8)スパイ行為お断り
・こんな人は占いません(9)占い中毒お断り
・こんな人は占いません(10)愚痴話お断り

【こんな人は占いません(1)ハシゴお断り】

隣の占い師さんの占いを終えたばかりの中年男性が、その足で、迷わず私の座っているブースに向かって来ます。ハシゴはいけません!彼は、たった今占ってくださった占い師さんに対して、大変失礼なことをしているのがわかっていないのです。まずそのことをご理解頂きたいので、お断りしました。ご自身でお金を払ってまで貰ったアドバイスを、簡単に聞き捨てるようなことをするのなら、占いをする意味がありません。

不誠実なつもりはなく、ただただ不安で仕方がない、話を聞いてもらいたいから…という方も中にはいらっしゃいますが、そういう事情であっても、丁重にお断りしています。依存症になってしまったら、もう手遅れなのです。話を聞いてもらいたいという気持ちは分かります。でもハシゴする前に、一旦占い結果について考えてみて下さい。占いとは、頼ったり、すがったりするものではなく、自己分析のツールとして利用するべきものです。ハシゴをして納得いくまで頼るものではないのです!

一度占ってもらったら、その結果をヒントに、少しずつでも自分で心の整理をしていかなければ、その先に進歩はありません。「あなたの人生を本当に深く理解し、救ってくれる人は、他の誰でもない、あなた自身なのです。まずは依頼心をなくす努力をしていかなければ、あなたの人生は変わりません」そうお話しするのです。

【こんな人は占いません(2)疑心お断り】

「胡散臭いなぁ。信用ならないねぇ」などといきなり言い放って立ち去っていく、50代と思われる男性。シラフで絡んできたその男性に「そうでしょうか?」と一言だけ申し上げました。まだ言葉を交わしてもいないまったくの初対面の人に、いきなり疑われるなんて心外です!私のことを、いったいどれだけ知っているというのでしょう?

この手の人は複数いますが、会話は全く成立しません。言葉はお互いがその真意を汲み取ろうとする心を持って交わさなければ、何一つ通じないのです。相談する側とされる側、双方の心の在り方が何よりも大切です。

【こんな人は占いません(3)半信半疑もお断り】

「当たりますか?」とおっしゃるのであれば、「信頼できる人を探して下さい」というのが私の答えです。あなたが尋ねた質問は、的中率の問題以前に“あなたは私の相談相手として相応しくない”とおっしゃっているのと同じです。

占ってもらうということは、人に相談するということです。信用できない人に大事な話をすべきではありません。“良い相談”は、自分に合う相談相手を探す段階から始まっています。

そもそも、占いは当たり外れを楽しむものではありません。良い結果ならそれが当たるように、悪い結果であれば外れるようにアドバイスするのが占いです。占い結果は、今後の行動によってコントロールできるのです。占い結果の当たり外れを楽しみたい方も多いとは思いますが、占いは、相談者様の人生をより良くするための長期的な問題解決策を提案するものと、お知り置きください。

【こんな人は占いません(4)挑発お断り】

「何でもいいから当ててみてください」とおっしゃる20代の女性。知りたいことも特におっしゃらないのです。相談メニューを見せたうえで、再度ご相談内容をお伺いしたところ、「情報を言ったら当たるのは当然じゃないですか。それはズルい」業を煮やして「メニュー以外の商品はございませんので、他をあたって下さい」と申し上げました。

いくら占い師とはいえ、そんな不躾な申し出をお受けする義理はありません。彼女がただの無礼者なのか、占いをクイズのように思っているのかは定かではありませんが、真剣に向き合っている人を試すような言動は、真意はどうであれ、人を不快にさせます。たとえ相手が占い師であっても、他の職業の人であったとしても、その本質は変わらないはずです。

相手は生身の人間なのですから、人としての最低限のマナーは忘れないでいただき
たいと思います。

【こんな人は占いません(5)値切りお断り】

姉歯問題(構造計算書偽装事件)が世間を賑わせていた頃、家の購入に迷っている
男性がやってきました。第一声は「半額で見てもらえませんか?」答えは「No」です。「どのようなご相談か存じませんが、値引きは出来ません」さらに、「リクエストに応えてくれる占い師さんはたくさんいらっしゃるかもしれません。ただ、半額にするということは本来の所要時間を削ることになりますので、ご依頼内容を丁寧に占うことは不可能です。半額に見合うように、それなりに手を抜かれますよ」と続けさせていただきました。

一生住む家を決めるという、人生の大切なご相談なのでしょうから、きちんと占って貰うためにも、値切るようなことはすべきでないと思います。

【こんな人は占いません(6)時短お断り】

「パパっと占ってもらえますか?5分ぐらいで」それはムリなご相談です。昼休み中で時間がないと言うOL女性に、ご相談内容は承ったうえで、「ではお仕事帰りにもう一度お立ち寄り頂けますか?それまでに占っておきますので」とお答えし一旦会社に戻って頂きました。

経験を積んだ熟練者であっても、5分で占うのは厳しいでしょう。通常の所要時間は最低でも20分。依頼内容が2、3件の場合は30〜40分はかかります。鑑定に時間制限がある場合、まず「どの作業を省こうか?」という事を真っ先に考えることになりますので、丁寧に占ってもらえることは当然、ありえません。「5〜10分の鑑定なんて、やっつけ仕事になっちゃうよね」と、どの占い師さん達も口を揃えておっしゃいます。最低限の所要時間をご理解いただければ、占者も力を発揮することができるのです。

【こんな人は占いません(7)探りお断り】

友達以上恋人未満という関係に悩む40代男性。「彼女が浮気をしているんじゃないか」「彼女が本当は自分のことをどう思っているのか、本音が知りたい」といった内容のご相談でした。

これは、相手との相性や将来性について知りたいという類のご相談と違い、既に関係を築いている相手の心を支配したいという欲求であり、占いで解決できる問題ではありません。それに、相手に直接聞けば折り合いがつくであろう話は、勇気を出して直接ご本人に聞いた方が、第三者から言われる内容よりも腑に落ちるのではないでしょうか。大切な人ならばなおさら、陰で探るような事をしてはいけないと思います。

相手が見ていなくても、信頼を損ねるような行動や相手に不信感を抱く言動は二人の未来にとっても良いわけがありません。それは、いつか必ず相手に感じ取られて
しまうものです。

聞きにくい事を傷つけないように怒らせたりせずに聞く、相手の心情に配慮しながら自分の気持ちを伝える。そういったデリケートな気持ちのやり取りを乗り越えた時に、二人の新たな関係が築かれるのだと思います。たとえ占いで相手の情報を知ったところで、実際の関係には何の発展もありません。万が一、自分の希望通りにならなかったとしても、結果が出ることで次の行動に移ることができるのではないでしょうか。

「自力で頑張って下さい!」と励まして送り出しました。数日後、彼女に手紙を渡した彼は緊張して倒れそうだったと話してくれました。渾身の想いが彼女に伝わると良いなと思います。

【こんな人は占いません(8)スパイ行為お断り】

ある企業の社長さんにお会いした時のことです。ご自身の会社の社内イベントで17〜18名の占いをして欲しいとのご依頼をいただきました。当日イベント会場に到着すると、挨拶が済むなり「社内の人間のプライベートな情報を聞き出して欲しい」と、驚愕の真相を知らされました。しかも、その人達は既に隣の部屋に待機していると言うのです。

事前に本来の目的を知らされていたら、絶対に引き受けなかった仕事です。「今すぐ帰らせて頂くか、スパイ行為はしないか、どちらかです」とキッパリ申し上げました。一流企業の社長として、信頼を失墜することになる恥ずべき行為です!

【こんな人は占いません(9)占い中毒お断り】

ある日私を訪れた40代の会社員男性は、席に着くなり「運悪いでしょ。自分で分かってるんです。」と相談内容をいっさい教えてくれません。「今まで生きてきて良い事なんて何もないし…」と愚痴は延々と続きます。「今日はどのようなご相談ですか?」と尋ねると「だからぁ、運を占ってよ!どうせ不幸なんだから」とカリカリしています。

実際この方の運を拝見してみると、不幸というわけではありません。しかし、このような強い思い込みを持つ方は、占った内容がたとえ良い結果であっても、受け入れていただけないのです。誤解している方もいらしゃるかもしれませんが、占星学には”幸か不幸か”、という概念はありません。分かることは、荒波を乗り越えなければならない困難な人生なのか、穏やかな凪のような平穏な人生なのか、ということだけです。

そして肝心なのは”困難な人生=不幸”ではないということです。歴史に名を残す偉人や各業界のトップ達は、必ずと言って良いほど人並み以上の苦労運を持っています。大事を成し遂げた人は皆、楽な人生を歩んではいないのです。もしあなたの人生が苦労の連続だと思うのなら、大成する素質を持っている可能性もあるのです。

その方には、「確かにあなたの人生は苦労が多いかもしれませんが、磨けば光る才能もお持ちです。苦労に振り回される状況を改善する努力を続ければ、必ず変われます」と申し上げました。すると遮るように「全然当たってない。今まで色んな人に占ってもらったけど、当たったのは一人だけ」そうおっしゃるのです。「そのような占い師さんと既に出会っているのなら、その方のアドバイスを大事になさった方が良いと思います」と退席をお願いしたところ、「また来るかも知れませんけどね」と意外なお返事。「もしまた来られても、これ以上お話しできる事は何もありません」と勇気を出してお断りしました。

ところが、一ヶ月後、隣に座る占い師さんのもとに彼が現れました。早速荒々しい声が聞こえます。「隣に行けば?私占いたくないから!」とお怒りの占い師さんに対して、彼は「隣はダメなんです。色々あって…」なんて気弱なやり取りをしていました。その後も、一度断られている占い師さんを避け、他の方目当てに何度も足を運んでいました。自分の納得いく診断結果を得られないが故に、何度も病院を変えセカンド・オピニオンをもらいに行き続ける患者さんといったところでしょうか。

占いは、人生の荒波をどう乗り切るのか、より良い航海の為にどう舵を切れば良いかを知るためのツールです。「どうせ嵐は治まらないでしょ」と舵取りを放棄している船長に、占いは必要ありません。

【こんな人は占いません(10)愚痴話お断り】

「占い師は吐き溜じゃない!」こうした占い師さん達の怒りの声をよく耳にします。なぜなら、こちらがいくら建設的なお話しをしたとても、「でも…、でも…」と愚痴を続けたがる方が多いからです。本気で改善する気はあるの?と思わず問い返したくなるのが占い師の本音です。

愚痴の常習者は、その不毛さをなかなか理解してくれません。悩み相談を生業(なりわい)とする身で、愚痴は聞きたくないと言うのもおかしな話と思われるかもしれません。ですが占い師も人間です。延々と聞かされ続けていると、気が滅入ってきます。愚痴っぽいお客様に対しては「人に話すことで、気持ちを整理できるタイプですか?」とお伺いしてみます。不平不満を繰り返し口にする行為は、自分で自分にストレスを与えますから、どこかで止めなければいけません。

たしかに文句を言うのは一番簡単なストレス発散法です。ですが、不平、不満、愚痴で、問題は解決できません。

どのように問題に取り組むのか……深く思考を落とし込んでいくことが改善につながり、このプロセスのお手伝いをするのが占いなのです。とにかく、愚痴は悪癖と意識して、前向きかつ建設的に考えられるよう、思考の転換をしていくことも大切です。

あなたの目の前に壁があるとしたら、それをじっくり見て下さい。そして、それが壁ではないということに気付いて下さい。壁だと思い込んでいるものは、扉なのです。カギを見つけさえすれば、その扉は必ず開きます。